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世界気候アクション1106スピーチ全文



COP26に合わせた世界気候アクション1106

Fridays For Future Japanが主催したスピーチに仙台のオーガナイザーも参加しました。

↑こちらに残されています。(変更の可能性あり)


スピーチの全文です!

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〇池澤美月 

私たちは、先月のグローバル気候ストライキに合わせて、バングラデシュと連帯する学校ストライキを行い、住友商事とJICAに対して抗議しました。


 日本は現在、バングラデシュに石炭火力発電所を建設しています。JICAが「ODA」、「国際貢献」として融資し、住友商事などのSDGsを掲げる日本企業が受注しています。

バングラデシュは、世界で最も気候変動の被害を受ける国のひとつです。既に数百万人が気候変動により命を落としたり、住む場所を奪われたりしています。そのような国に、石炭火力発電所を建設することが、本当に「国際貢献」でしょうか?しかもこの発電所は日本の環境基準を下回り、日本の新規石炭火力発電所の21倍の二酸化硫黄、10倍の致死性粒子を排出します。この石炭火力発電所で、既に2万人以上の人々が生活のための産業を奪われています。工事の影響で水流が塞がれ、洪水が起き、通学中の子どもたちが亡くなってしまったという事件も起きています。住友商事とJICAが、これほど人体にも環境にも有害な発電所を、バングラデシュに建設するのを許すことはできません。


グローバルサウスへの抑圧を伴って加速する気候危機を、グローバルノースの政治家や官僚、多国籍企業が自分から解決してくれることはありません。例えば、宮城県も仙台市も、脱炭素、「ゼロ・カーボンシティ」を宣言しています。ですが19 万世帯分のCO2を排出する石炭火力発電所、仙台パワーステーションは動いたままです。仙台市行政の人は、「企業活動は止められない」と開き直ります。言うだけで何もしないんです。また、住友商事は、仙台にひとつ石炭火力発電所を作ろうとしていました。住民の反対運動にあい、石炭は辞めましたが、木質バイオマスに切り替えました。でも、この木質バイオマス発電によって、世界の森林が大規模に破壊されることが分かっています。結局、企業と闘って止めるしかない、利益優先のシステムを変える運動を作っていかなければいけないというのが実感です。


今、イギリス・グラスゴーではCOPが開催され、世界のリーダーたちが気候変動対策をめぐって議論しています。今に始まったことではありません。グローバル・ノースの政治家たちは、30年前から、ずっと中身のない議論を繰り返しています。彼らは一体、地球のために何をしたのでしょうか。何もしていないどころか、加害行為しかしていません。

岸田首相はCOPで、「アジアにおける再エネ導入は、太陽光が主体となることが多く、周波数の安定管理のため、既存の火力発電をゼロエミッション化し、活用することも必要」と太陽光ではなく石炭火力を使っていくという意思を表明し、「アジア開発銀行などと協力し」て「最大100億ドルの追加支援を行う用意がある」と発言しました。日本がアジアの中心として、アジアを開発し、このバングラデシュの事業のように、環境破壊と人権侵害を押し進めていく、こうした最悪の「支援」を拡大させ、利益を上げていこうとしているのでしょう。グリーンウォッシュも止まりません。住友も、COPにブースを出しています。こういうのを許さない社会にしていきたいです。


世界中で、環境破壊や人権侵害に対する闘いがあります。グローバルサウスでの抵抗運動は、実際の環境破壊を止めようとしています。バングラデシュの人々は、ずっと声を上げてきましたが、その声は潰されてきました。例えば、2016年には、中国の資金援助による石炭火力発電所の建設計画に対する抗議行動中に警官が発砲し、少なくとも4人が殺され、30人が負傷しました。圧倒的な加害国日本、命を脅かされることのない立場にいる私達が、何もしないということがいかに暴力的か分かると思います。

このあと、バングラデシュの活動家の動画を見ていただきます。

こうやって命がけで闘っている人たちと連帯できる運動を作らない限り、グローバル大企業の環境破壊、人権侵害は止まりません。闘わない限り、グローバルサウスの抑圧を続けてしまいます。だから、JICAと住友商事に抗議するため、学校をストライキをしました。今後も、学び、考え、議論しながら運動を進めていきます。私からは以上です。


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〇清野華那

 先月、マタバリ石炭火力発電事業に対する学校ストライキを行い、当日の様子をSNSに投稿しました。すぐに反響がありました。ほとんどが、批判のコメントです。「学校に行って勉強をしろ」「学生の本分である勉強をすれば、気付きがあると思いますよ」「学校をサボって、何が得られるんですか?」……私たちは、あと何回「学校へ行け」と言われなければならないのですか?若者がただ気候変動対策を求めるだけでは、こんなに批判されません。「学校ストライキ」だから、批判が集まっているのです。


 日本で学生がストライキをすると、すぐに過激だと言われてしまいますが、過激なのはどっちですか?自分たちの利益のためにバングラデシュの人々の環境を破壊し、生活を奪い、人が死んでいるような事業も気候変動も押し進める、住友商事とJICAの方が、学校ストライキなんかよりよっぽど過激ではないですか?そして、加害国日本に住んでいる私たちが、こうした日本企業に対して抗議しないということは、バングラデシュと連帯せずに運動を進めるということは、こうした加害行為に加担しているのと同じです。それがどれほど暴力的なことか、想像できますか?


 住友商事やJICAに入り、グローバル・サウスを抑圧するというのが日本の「エリートコース」であり日本の「優等生」です。日本の経済成長のために、グローバル・サウスに対する加害者になるべく、おとなしく学校に行って勉強しろと、従属を強いてくるのでしょう。私たちは、そんな規範には従いたくありません。


 私たちは、当たり前のことしかしてないのに、おかしいことに対しておかしいと言っただけなのに、従属的な日本社会ではそれさえも許されないようです。みなさん、嫌じゃありませんか?親や先生に言われるがままに学校に行き、受験競争を勝ち抜いていって、就職活動だって、自分の個性ではなく、いかに自分が企業に「従属」するかどうかをアピールして、入社後も、自分の意見を言うよりも、周りに合わせて上司の意見に従うほうが評価される、そんな社会で、嫌じゃないですか?経済成長第一の社会で、低賃金の長時間労働に苦しめられ、自分の「生産性」を高めていかなきゃいけない、そんな社会で声も上げられなくて、苦しくないですか?さらに、こうした私たちの過剰な生産こそが、気候変動を加速させ、グローバル・サウスに洪水や熱波をもたらしているのです。おかしいと思いませんか?嫌なことは嫌、おかしいことはおかしいって、声を上げていっていいじゃないですか。


 経済成長を追及する中で、バングラデシュが抑圧され、国内外で貧困者が見捨てられ、地球を破壊して気候危機が起こっている、そんな社会でいいわけないですよね。疑問を持っている人は、私たちと一緒に闘いましょう。選挙に行って、政治家に任せて終わりにしないでください。政治家たちは賃金を上げますとか、二酸化炭素排出量を何%にしますとか言うだけで、結局は何もしないままでいます。それどころか、岸田首相は、アジアへの人権侵害と気候変動を進めていくということをCOPで宣言しました。政治家たちがそんなことをしている間にも、私たちみたいなZ世代の社会運動こそが、現場で人権侵害を止めようとしているんです。選挙で何か社会が変わりましたか?政治が社会を良くしたことがありますか?本当に社会を変えようとしている、本当の民主主義は、私たちのような社会運動の中にあるのです。日本では、運動はまだ小さく、私たちは何もわかっていない若者なんだと批判する人の方が多く見えますが、世界では、すでにたくさんの人々が、私たちと同じ方向を向いて闘っています。こうした社会運動の中にこそ、本当の民主主義の可能性があるはずです。


 今、開発と気候変動の最前線で闘い、ぎりぎりで食い止めようとしているのは、COPで議論を重ねている世界のリーダーたちではなく、グローバル・サウスの人々の運動です。声を上げただけで殺されてしまうかもしれないのに、必死で闘っているのです。エコバッグでも、マイボトルでも、政治家やエリートたちの空虚な言葉でもなく、グローバル・サウスの彼らが石炭に抗議し、パイプライン建設に抗議し、森林伐採を身体を張って止めているから、地球はまだ今の気候を保っているのです。


グローバル・サウスを破壊する開発や気候変動に対して、責任があるのは私たち、グローバル・ノースです。グローバル・ノースの国々は、グローバル・サウスを抑圧し、資源も労働力も奪い、さらには気候変動の被害や物理的な「ゴミ」を押し付けることによって経済成長を成し遂げ、「豊かな」生活を成り立たせてきました。日本にも、たくさんの外国人労働者がいますよね。最新の研究によると、日本のような「豊かな」国には、グローバル・サウスから、年間1億8200万時間の労働と、100億トンの資源が流れ込んでいるのです。こうして先進国は経済成長をしているのです。グローバル・サウスは、貧しくて先進国に巨額の借金があると思っている人もいるかもしれませんが、本当は、私たちこそがグローバル・サウスに負債を負っています。私たちは、この負債を返していかなければいけません。


 最大の汚染者は、先進国の多国籍企業です。まずは、彼らの加害行為をやめさせることからです。バングラデシュと連帯して住友商事とJICAと闘うことでしか、多国籍企業のグローバルな加害行為と闘うことでしか、ノースとサウスの分断は乗り越えられないのです。


 気候変動で、私たち若者の未来が危ない、そうじゃないんです。いつか私たちの未来に起こるかもしれないことではなく、すでに起こっていることです。未来ではなく、今、まさにこの瞬間が壊されている人々が、世界にはたくさんいます。


私たちFridays For Future Sendaiは、これからも気候変動を引き起こすシステム、そして労働、貧困、差別、あらゆる人権侵害と闘い続けます。今後も、力強い気候正義運動を作っていきましょう。また、社会に疑問を感じている人は、私たちの運動に加わってください。


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