<活動報告>丸森町メガソーラー計画住民説明会
- fffsendai
- 2022年1月24日
- 読了時間: 7分
2021年12月18日、白石文化体育活動センターにて、「合同会社地方創生太陽光発電所2号」(仙南プロジェクト)のメガソーラー計画についての住民説明会がありました。
経緯については前回のブログをご覧ください。

〇工事を急ぐ事業者による一方的な説明会
今回の説明会は「井戸水の補償の件が解決するまで説明会を開かないでほしい」という住民の要求を無視した開催でした。県の指導要綱によれば、着工前には住民説明会を開催する必要があります。工事に向けた手はずが整い、あとは住民説明会を開けば着工できるという状態で、説明会を急いだのだと考えられます。
私たちは住民からの要請に無視して開催されたこの会は、説明会として認めないと主張しましたが強行されてしまいました。
〇マスコミを入れず、中継もさせない
今回は丸森から離れた会場での説明会であったことや、丸森で雪が降ったこともあり、現地に来ることができない住民がたくさんいました。それにも関わらず、今回の説明会は、マスコミの入場は拒否されていました。録画・インターネット配信の禁止を一方的に通告し、配布資料には「当資料の文章・画像等の内容の無断転載及び複製の行為はご遠慮ください。」と記載しています。
撮影に関しては、「コンプライアンス」「上場企業も含めて参加している」「肖像権・著作権」などの都合で禁止すると言っていました。
資料の公開については、来られなかった人に見せても構わないが、「範囲としては、耕野地区というところで限定的にはさせていただきたい」とのことでした。なぜ、耕野地区民しか見られないのか。会場が紛糾すると、「逆になぜそのほか」の人に見せる必要があるのかという趣旨の説明がありました。
〇意見表明として処理
事業者からの説明のあと、質疑応答の時間が設けられました。住民が切々と問題点を指摘し、「住民の70%が反対している」「丸森町としても開発規制条例ができようとしている」などと述べたのに対し、事業者は
「…今のは表明ということでよろしかったですか?」
「断固反対されますということは理解しておりますということになるのですが。」
と形式的にさばいていました。
「貴重なご意見ありがとうございます。」
と済ませようとする場面もいくつかありました。
事業者の態度として一貫しているのは、住民の主張を一切聞こうとせず、住民以外の人に工事の内容を知られないようにしようとしていることです。
以下、説明会で議論された論点を紹介します。
論点➀水の問題
丸森町耕野地区では、全戸で井戸が使われています。開発により井戸の枯渇などの被害が出る可能性があります。耕野地区の全戸256戸の井戸の水量、水質の調査を求めたにも関わらず、事業者はわずか60戸の「調査同意」を得て20件の調査をしたのみです。事業者は「事業によって枯渇した場合のみ補償する」と言っていますが、井戸の枯渇とメガソーラー建設の因果関係の証明は住民が負うことになっています。その証明は極めて難しいです。そのうえ補償の内容は、事業者が自ら深井戸を掘って、給水タンクに水を備えておくというものです。
これに対して、住民の方から以下のような指摘がありました。
「耕野地区がこれまでいかに水で苦労したか。住宅が点在する状況で、水道を引くに
は数億から数十億規模の予算がかかる。井戸が枯渇したら、そうしなければならなく
なるかもしれない。山に深井戸を掘って、給水するなんて不可能。耕野は現在も水が
足りていない。水が出るところに合わせて家を作ってきたという歴史がある。掘れば
出るという訳ではないので、そんな補償は非現実的だ。」
論点②工事の影響について
丸森町では、現在、本事業以外の複数の道路工事やダム工事が行われており、既に、重機の騒音があり、連日ひっきりなしに工事車両が行きかっています。本事業では、太陽光パネル約6万枚が運び込まれる予定です。大規模な切土と盛土も行われる予定です。住民の方々は、工事車両が道路を塞いでしまって、緊急車両が通れなくなるなど、工事そのものが地域に与える影響も懸念しています。どのルートを通るのか、トラックはどの程度通るのか、緊急車両に影響は出ないのかといった質問がありました。事業者の回答は「10tダンプ1台が毎日行ったり来たり往復しているという程度です」「燃料を入れる4tのローリーが来るくらいで…」などというものでした。「程度」や「くらい」という言葉からは、地域住民への影響を軽視しているような印象を受けました。
論点③アセスメント逃れについて
そもそもこの事業者は環境アセスメント逃れをしていました。環境アセスメントとは「開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ事業者自らが調査、予測、評価を行い、その結果を公表して一般の方々、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度」のことです。アセスメントには時間と費用がかかるため、事業者はメガソーラー計画を仙南プロジェクトと丸森プロジェクトの2つに分けることでアセスメントの対象ではない規模の発電所にし、アセスメントを逃れようとしました。
事業者は丸森プロジェクトを中止し、仙南プロジェクトだけを進めることにし、アセスメント抜きで工事を進めようとしていました。しかし、説明会では丸森プロジェクトの「中止」「撤退」をめぐって、混乱を極めました。事業者は丸森プロジェクトの「撤退は決まっていない」などと言っており、そうであればこの計画はアセスメントの対象になります。その発言は最後まで撤回されませんでしたが、アセスメント逃れの分割工作に事業者側も混乱しているのが目に見えました。
FFF仙台からの提起したことは以下の通りです。
➀新疆ウイグル自治区での人権侵害について
事業者は計画で用いる太陽光パネルを「ジンコソーラー」という企業から購入する予定だとしています。ジンコソーラーは世界中から、ウイグル自治区で人権侵害をしているということで批判を受けている企業です(*1)。ジンコソーラーとの契約の解除と、それが実現しないまでは工事を進めないことと求めました。事業者の口頭での回答は以下。
「あくまでジンコソーラーが今渦中のウイグル問題に対して触れられている内容に関
して、思いとして是非使わないで欲しいという意見は承りました。とはいえ当然なが
ら我々事業者はコストを含めて対応を考えておりますので、変更等に関して、先ほど
スペックが上がっている、要はデータ性能が上がっている、そういったところを、ち
ゃんと効率を考えながら我々は選定し対応させていただくというところでございます
。」
②森林破壊について
COP26で採択されたグラスゴー宣言では、「2050年までに森林伐採を0に」という目標が掲げられています。この点について、大規模な森林伐採をともなう本事業に問題があるのではないかという指摘をしました。事業者の回答は以下。
「森林破壊ゼロベースでやるのは無理」「伐採は避けられない。CO2に関しては
(太陽光発電なので)貢献できていると思う」
事業者がコストカットのために人権侵害が発生することを許容している姿勢があらわになりました。再生可能エネルギーの拡充は確かに必要です。しかし、そのさいに丸森のような一分の地方が犠牲になることや、森林破壊、ウイグルでの労働問題が許されてよいのでしょうか。
気候変動がここまで猛威をふるっているのは、利益追求のために人権侵害や環境破壊が正当化され、無視され続けてきたからです。私たちはこれまでの社会のあり方に対して、利益追求のために人の生存を脅かしてよいのか、環境を破壊してよいのかということを問うていく必要があります。
丸森のメガソーラー問題では、事業者が全く対処するつもりのない水の問題、森林の問題、ウイグルの問題を追及していきます。
運動に関わりたい方、質問などある方はぜひ fffsendai@gmail.com までご連絡ください。
*1 ジンコソーラーの人権侵害については LAURA T. MURPHY, NYROLA ELIMÄ 「In Broad Daylight: Uyghur Forced Labour and Global Solar Supply Chains」を参照
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